スキップしてメイン コンテンツに移動

社会全体のおカネを増やす方法

前回は、社会の中をグルグル回るおカネの性質について学びました。
今日はおカネで幸せになる方法について議論したいと思います。

--そんなの簡単。おカネをたくさん手にすれば幸せでしょ。
--おカネは使ってなんぼ、だから、使わないと幸せにはなれないよ。
--使うって言っても、お前みたいにゲームにつぎ込んでいるようじゃ幸せにはなれないな(笑)。


いろいろな意見が出たね。
ボクは貧乏だからおカネを持っているだけでも幸せだけど(笑)、たしかに使って初めて幸せな気持ちになれるのかもしれないね。それに、何に使うかも大事なポイントだね。
でもとりあえず、おカネはたくさんあるに越したことはない、としておこう。
前回は、経済活動をしているうちに、ある人は手持ちのおカネが増えるけど、別のある人はその犠牲になって減るという現実があることを見たけれど、さっきの議論だと、それは全員がおカネに関して幸せになることはできないって意味だよね。
全員がおカネに関して幸せになることができる社会って、実現不可能なんだろうか。

--おカネの量が増え続けないと、無理。


そうだね。
じゃあ、どうしたら社会全体のおカネを増やすことができると思う?

--輸出を増やす。


なるほど、外国にものを売れば代金が入ってくるからね。
社会全体のおカネを増やすには、結局外から注入するしかないのだから、輸出は第一候補だな。
でも、海外とのやり取りを考え出すと、為替の問題なども絡んできて見通しが悪くなるから、以降の議論では輸出と輸入については除外することとさせてください。つまり、金額ベースで輸出と輸入が同額と考えるという意味です。
そうした場合、社会全体のおカネを増やす方法はないだろうか? 

--誰でも欲しがるようなめっちゃカッコイイ商品を売り出す。


ほー、どうしてそれが社会全体のおカネを増やすことになるの?

--だって、皆んな無理しても買うだろうから、消費が増え経済が元気になる・・・。


買うためのおカネはどこから出てくるの?

--貯金をおろします。


ああそうか、社会全体の5万円とは別に皆さん貯金を持っているんだ。
生活するのに使い回しているおカネ以外にストックがあれば、それを崩せばおカネの総量は増えるのは当然だね。
でも、ここでの議論は何もかも含めて社会全体には5万円しかないという前提なので、貯金はないものとしよう。
ちなみに、本人以外は知らず、表には出てこないこのようなおカネのことを「たんす預金」と言います。れっきとした経済学用語ですよ(笑)。
さて、ほかに何かありませんか?

--(沈黙)


堂免さんの答えは「信用創造」です。
この言葉は聞いたことがないと思いますが、平たく言えば「銀行からカネを借りる」ことです。
銀行からカネを借りると、その分だけ社会全体のおカネが増えるのです。
例えば、ボクらが一番馴染みのあるのは住宅ローンです。
審査に通ればポーンと口座にたとえば金5,000万円也が振り込まれますが、実際には札束が移動するわけではなく口座に数字が記帳されるだけです。
このおカネは、別に日銀が新しく紙幣を印刷して生まれたわけではありませんが、今まで存在していたおカネではなく銀行によって新しく生み出されたおカネなのです。
そして、この口座からお金を引き出して業者に家の代金として支払う時に、リアルなおカネとして動き出します。


--銀行がおカネを生むんですか?


はい。これは銀行にだけ許された特権です。
もし君が友達からカネを借りようとすると、友達は自分の手持ちのおカネ、つまりリアルマネーの中から貸してくれるわけですが、銀行の場合は現物のおカネのあるなしに関わりなく、君の通帳に印字します。
つまり、その瞬間に巨額のおカネが生み出されるのです。
だって、友達が貸してくれる場合は社会全体のおカネの量は変わらないけれど、銀行が君の通帳に印字する場合はそれだけ社会全体のおカネの量が増えているでしょ?
ただし、銀行は自分のために信用創造をするのではなく、あくまで顧客、つまり社会の要請に応えて行います。

--住宅ローンのほかにも信用創造は行われるんですか?


企業が工場を建てたり機械設備を導入するなど、大きなおカネを必要とする時にも信用創造は行われます。
こういう行為は「投資」と呼ばれます。企業が行う代表的なのが設備投資、民間が行う代表的なのが住宅投資です。企業や民間以外に政府も道路や橋を作るインフラ投資を行います。
投資に必要なおカネを銀行から借りれば、それが信用創造となります。
皆んなが銀行から借金すればするほど、社会全体のおカネが増えて皆んなが豊かになれるのです。
さて、信用創造以外で社会全体としておカネを増やす方法はないでしょうか。

--輸出とたんす預金は別だから・・・あっ、国がおカネを直接配るのがあるでしょ。コロナの時、もらったやつ。


給付金ね。
たしかに、これは社会全体としておカネを増やしますね。他の支出を削らない限りですが。
でも、実は給付金とは別に、国が国民に大量にお金を配るよく知られた方法があるんです。
それが国債です。

--えーっ!? 国民に配る? だってあれは国民の借金ではないんですか?


違います。
それは財務省の言い分にすぎません。
しかし、財務省だけでなく、多くの世界中の経済学者が理解しておらず、堂免さんだけが見抜くことができたのが国債の真の姿
 国債発行は政府から国民への贈与である
という事実なのです。
これについては次回検討してみましょう。

コメント